発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010313590
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症例はDown症候群の13歳女児で、左膝関節痛、左膝不安定感を主訴とした。バスケットボール中に膝蓋骨脱臼し、以後2回の脱臼が生じた。膝蓋骨異常可動性及び脱臼不安定感テストは高度陽性で、patella compression testにて疼痛、軋轢音を認めたこと、単純X線にてPF関節の適合性不良、大腿骨顆部の低形成を認めたことより、反復性膝蓋骨脱臼と診断した。Down症候群に伴う全身性関節弛緩があり大腿骨膝蓋溝が浅かったが、主原因はMPFLの機能不全であると判断しMPFL再建術を行った。術後3週間で退院し、術後3年現在、膝蓋骨の制動性やPF関節の適合性は良好である。なお、膝蓋骨脱臼に対する手術の報告は内外で13例で、その内、反復性膝蓋骨脱臼に対する手術の報告は海外で1例、日本で1例のみである。
©Nankodo Co., Ltd., 2010