発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013026102
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
36歳男。左前胸部の表皮剥離を主訴とした。腸腰筋膿瘍の診断でCTガイド下ドレナージにより改善した。腰部と背部痛が再発し骨盤内膿瘍再発の診断でCTガイド下ドレナージを行った際、排液培養よりGaffky 2号を検出し結核性骨盤内膿瘍と診断した。造影CTにて胸鎖関節、第1-2肋間に膿瘍を認め、胸部CTにて粟粒結核像を認め、抗結核薬4剤を投与した。左胸鎖関節部に発赤と腫脹が出現し数日後に自潰したため、組織をPCR検査、病理検査した結果、結核性胸鎖関節炎と診断した。病巣の掻爬を行い、骨欠損部に抗結核薬入りリン酸カルシウムペースト(CPC)のビーズを充填した。鎖骨部の再燃はなかったが第1胸肋関節から第1-2肋間の膿瘍は変化がないため、肋骨除去と大胸筋弁充填術を行った。再手術後3ヵ月現在、画像所見で膿瘍を認めず、局所の疼痛や可動域制限はない。
![](/cover/first?img=J00764.2013026102.png)
©Nankodo Co., Ltd., 2012