発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010089977
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症例1:24歳女。左臀部痛が出現し、血液検査で炎症反応、超音波および骨盤腔造影CTで左仙腸関節近傍の腸骨筋に隔壁を有する液体貯留を認めた。症例2:56歳女。左臀部痛が出現し、血液検査で炎症反応、超音波およ骨盤腔びCTで左腸骨筋部の膿瘍形成を認めた。症例3:75歳女。転倒後に両股関節痛、発熱が出現し、血液検査で炎症反応、骨盤腔造影CTで左仙腸関節から左腸骨筋前面にリング状に造影される低吸収域を認め、内部にはガス産生を認めた。3例ともに超音波ガイド下経皮的穿刺ドレナージを施行し、細菌培養検査で黄色ブドウ球菌が検出され、症例1、2はセファゾリンナトリウム(CEZ)に塩酸ミノサイクリンの追加投与、症例3はメロペネム三水和物、クリンダマイシンにCEZの追加投与を行った。いずれも膿瘍腔は消失し、ドレーン留置は症例1は21日間、症例2、3は17日間で終了した。3例とも退院後は現在まで膿瘍再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009