発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064345
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24歳男.左大腿部の疼痛・腫脹を主訴とした.転倒して左大腿部を打撲した4日後に再度転倒して同部を殴打し,主訴のため歩行不能となった.入院時,左大腿前外側の腫脹,熱感,圧痛とこれらによる膝関節可動域の制限を認めたが,皮下出血などはなく,出血・凝固系検査にてPLT,プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),出血時間は全て正常,XIII因子は60%と軽度低下を呈した.また,MRIのT1強調画像では中間広筋内に等輝度でやや不均一な像を,T2強調画像では低輝度で中央に一部高輝度領域の混在する像を認め,造影MRIにて周囲はリング状に強調された.筋肉内血腫の疑いで保存的に治療したが症状は軽減せず,手術にて血腫を除去したところ,病理組織所見は横紋筋線維束を伴う血腫であった.術後症状は軽減して歩行可能となり,血腫の再発は認めなかった.保存的治療で軽快しないと判断した筋肉内血腫には積極的に手術治療を行うべきであると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004