発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012294303
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症例は22歳女性で、17歳ころから臀部のしびれを自覚し、増悪傾向となった。画像所見でL5椎体の台形化、S1前上縁の骨欠損、Meyerding分類I度のすべりを認め、先天性腰椎すべり症と診断して手術を施行した。L4~S1までの広範除圧を行った後、L4~S1は椎弓根に、S2には仙骨翼に椎弓根スクリューを使用し、術中モニタリングにより複合筋活動電位を確認しながらreductionスクリューでL5・L4椎体を後方に引き寄せ、L5/S1間でのcompression forceでslip angleの整復を行い、自家腸骨を使用して欠損部を含む広範囲の前方骨移植と、ケージを用いた後方経路腰椎椎体間固定術を施行した。L5/S1レベルで椎間板の突出が著明であり、仙骨レベルでの発育性狭窄が高度で、硬膜が強く圧迫されていた。L5椎弓切除を行い、十分にL5神経根を展開した後、L5椎体の整復を行った。術後つっぱり感、しびれ、感覚鈍麻が生じたが筋力低下はなく、徐々に症状は消失して術後15週に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012