発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012294302
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症例は74歳女性で、左大腿~下腿外側にかけての疼痛が出現した。左下腿外側のL5支配領域に知覚鈍麻がみられ、左前脛骨筋、長母趾伸筋の筋力は低下していた。X線でL5/S1椎間板高の低下と椎間板腔にガス像を認め、ミエロCTでは硬膜管の圧迫はなく、神経根の描出も良好であったが、L5/S1左椎間孔外に低輝度領域がみられた。L5/S1椎間板造影後CTでは左椎間孔外のガス像の内部に造影剤の漏出があり、内部にガスの貯留を伴うL5/S1外側型椎間板ヘルニアによる左L5神経根症と診断し、内視鏡視下椎間板ヘルニア切除術を施行した。ヘルニア腫瘤はL5神経根の尾側にあり、神経根を頭側に圧排していた。腫瘤の被膜にメスで切開を加えたところ、内部のガスが抜けて腫瘤は縮小し、神経根圧迫は解除された。被膜の内部にヘルニア塊はなく、被膜を切除して手術を終了した。術後左下肢症状は軽快し、2年経過時点で日整会腰痛疾患治療成績判定基準は術前9点から26点に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012