発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012290296
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大腿骨頸部骨折に対する大腿骨頭置換術(STD-FHR)65例(男12例、女53例、平均81.35歳)と小切開大腿骨頭置換術(SI-FHR)43例(男5例、女38例、平均79.52歳)を対象に比較検討を行った。STD-FHR群よりもSI-FHR群のほうが有意に手術時間が短く、出血量とHb値の減少量および術後1週でのCRP値も少なく、術後発熱時間も短かった。また、有意差はないものの術後1週以内の鎮痛薬使用回数、術後合併症の発生率、脱臼発生率、輸血施行率においても、STD-FHR群よりもSI-FHR群のほうが少ない傾向にあった。歩行能力はSTD-FHR群の47.69%、SI-FHR群の48.84%で退院時に受傷前と同レベルに回復し、平均入院期間はSTD-FHR群46.79日、SI-FHR群30.93日であった。以上より、SI-FHRは有用性の高い術式であることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2012