発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012220018
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症例は68歳男性で、10歳代から高尿酸血症を指摘され、近医で治療されたが痛風発作を繰り返していた。左膝痛が増悪して紹介受診し、右膝関節の皮下に巨大な痛風結節を認め、左膝は痛風結節が自潰して潰瘍から瘻孔を生じており、内部から結晶成分の流出が認められた。また感染徴候を伴い、瘻孔からの排膿も認めた。その他、両肘関節、右手関節尺側や臀部を含めて全身の皮下に痛風結節が認められた。入院後のセファゾリンの点滴で著しく高値であった炎症反応は軽快したが、瘻孔からの結晶流出が持続するため、痛風結節摘出術を行い、病巣掻爬を追加した。以後、高尿酸血症に対する内服薬により全身の痛風結節は徐々に縮小傾向となったが、右膝に変化はなく、皮膚潰瘍もあるため結節切除術を行った。結節は白色チョーク様で、約10×10×5cmであった。尿酸値は最大値9.8mg/dlであったが、手術および内服治療により退院時には5.1mg/dlとコントロール良好となった。
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