発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004148688
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69歳男.右示指DIP関節痛,腫脹,皮下の白色結節を主訴とした.既往として不整脈,高血圧,コントロール不良の糖尿病があった.今回,誘因なく主訴症状が出現した.単純X線,CT,検査所見より,臨床的に右示指DIP関節に発生した痛風結節であると診断し,病巣掻爬術を施行した.側正中切開で展開すると,皮下組織直下に白色チョーク様物質が確認でき,同物質はDIP関節を中心に掌背側の皮下軟部組織に広範囲に沈着していた.病理組織所見では骨とそれに連結した細い線維状の物質がみられ,この物質の周囲には異物巨細胞が認められた.結晶分析の結果,DIP関節周辺,皮下の白色物質の成分は尿酸ナトリウム塩であった.術後2週で同部位より腫脹,発赤,疼痛は消失し,若干の屈曲制限を認めるものの,炎症所見も消失し,良好に経過した.アロプリノール処方にて高値を示していた尿酸値も正常化した
©Nankodo Co., Ltd., 2004