発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012294298
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膝関節伸展拘縮に対し観血的授動術を施行した20例(男13例、女7例、平均43歳)を報告した。関節可動域(ROM)は平均0°~68°(屈曲15°~135°)で、原疾患は大腿骨骨折8例、脛骨近位部骨折7例、その他の骨折3例、骨折以外の疾患2例であった。観血的授動術が関節内操作のみの第一段階ですんだのは10例、関節外剥離の第二段階に至ったのは6例、大腿四頭筋腱の切離または延長術の第三段階までが4例(1例は2回施行)で、術式はJudet変法3膝、Thompson変法2膝であった。授動術と同時に内固定の抜釘のため長い皮切りを要したものはJudet変法を選択した。術前平均屈曲角は各々87°、56°、43°で、屈曲角が良好なほど手術侵襲が少なくてすむ傾向であった。術中90°以上の屈曲角度は19膝で獲得でき、術中最大屈曲角度は平均116°、獲得角度は48°であった。術中ROMは剥離操作を行うごとに段階的に改善し、全ての癒着剥離時には著明に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012