臨床室
右小指近位指節間関節に関節破壊を生じた痛風結節の1例
高柳 正俊
1
,
小林 裕明
,
山本 重吉
,
市村 正一
1小山記念病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
再発
,
MRI
,
手指関節
,
肢切断術
,
X線CT
,
Febuxostat
,
痛風結節
Keyword:
Febuxostat
,
Amputation
,
Finger Joint
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Recurrence
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.223-225
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015199792
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78歳女。5ヵ月前より誘因なく右小指PIP関節部の疼痛が出現するも放置し、同部が腫脹・増大したため当科を受診した。初診時、右小指PIP関節背側には皮下腫瘤と熱感を伴う腫脹を認め、X線で右小指PIP関節周囲の軟部組織の腫脹と関節面直下に骨透亮像が認められた。腫瘤直上を切開すると、白色チョーク様の内容物が流出し、PIP関節軟骨は消失し、創は開放したままとした。病理組織学的に痛風結節と診断され、術後は洗浄処置を行い、5日目よりフェブキソスタットの内服を開始し、術後10日で開放創が閉鎖したため退院した。術後約10ヵ月で再び同部位の疼痛・腫脹・自壊を認め、X線ではPIP関節が完全に破壊・消失し、関節はまったく機能していないことから小指切断術を行った。再手術後9ヵ月の現在、右小指を含む他の関節に異常所見はみられない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015