発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006225125
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
21歳男.階段昇降時に右膝関節痛を自覚した.右膝蓋骨上外側部周囲に軽度の腫脹と限局した圧痛があり,膝蓋跳動,関節可動域制限はなかった.尿酸値9.0mg/dl,CRP 0.7mg/dlと高尿酸血症,軽度炎症所見を認め,X線で右膝蓋骨の上外側に分裂膝蓋骨と,その周囲に骨透亮像を認めた.MRIでは同部に径15mmの腫瘤性病変を認め,T1,T2強調像とも低信号で,T2強調脂肪抑制像では膝蓋骨全体が高信号を呈した.骨シンチグラムでは右膝蓋骨に異常集積亢進があり,病変部とその遠位側がより強かった.血管造影像では同部に血管の増生と淡い濃染像を認めた.骨生検を行い,病理組織所見で白色チョーク粉のような物質の針状結晶物が散見され,周囲に異物性の多核巨細胞の出現を伴う炎症所見を認めた.組織球やリンパ球が主体であったが,少数の好中球の浸潤も認めた.痛風結節と診断し,病巣郭清と自家骨移植術を行った.術後4ヵ月経過で骨癒合状態は良好であり,疼痛も消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2006