発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011071999
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腰椎脊柱管狭窄症および腰椎すべり症の計41例に対し腰椎片側進入両側除圧術を行い、術後8例8椎間(24.2%)に手術高位に一致して椎間関節嚢腫の発生を認めた。嚢腫出現レベルはL4/L5が最も多く、他はL2/L3、L3/L4、L5/S1が1例ずつであった。嚢腫出現のlateralityは同側5例、反対側3例であった。何らかの症状が出現していた7例のうち、疼痛が出現したものは6例で、内訳は神経根性疼痛3例、腰痛2例、神経根性疼痛と腰痛1例であった。その他の1例は軽度の膀胱直腸障害であった。疼痛が出現した症例のうち、非ステロイド性抗炎症薬を必要としたものは4例であった。症状を認めた7例の経過をみると、うち4例は術後1~2ヵ月で腰痛または神経根性疼痛を発症していた。症状を認めた7例全例とも、保存的治療あるいは経過観察により術後9ヵ月までに症状は消失した。MRIで継続的観察が可能であった6例中5例で嚢腫の自然消失を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010