発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012139694
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外傷性肩関節前方不安定症の診断で手術を行った58例59肩(男42例、女16例、平均27.1歳)を対象に、肩関節水平内転位からの内旋強制を行い、脱臼不安感の有無について検討した。初回脱臼時年齢は平均19.9歳、脱臼回数は8.1回で、脱臼32肩、亜脱臼27肩であった。関節鏡所見における肩関節前方不安定症の主病態は、関節窩側でのBankart損傷54肩、靱帯実質での関節包断裂3肩、上腕骨側でのhumeral avulsion of glenohumeral ligament損傷2肩であった。上方関節唇損傷の合併は16肩に認め、後方関節唇損傷はなかった。内旋強制による検査の結果は52肩が陽性であった。肩関節外転外旋位における脱臼不安感の有無を指標とする検査(AAT)では55肩が陽性で、両検査陽性は51例、内旋強制検査のみ陽性2例、AATのみ陽性5例、両検査陰性1例であった。両検査の陽性・陰性4群間において、患者背景、関節鏡所見に有意差はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011