発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011226895
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症例は77歳男性で、誘因なく右下肢痛が出現し、保存的治療を行ったが症状が増悪した。右下腿外側にしびれと痛みがあり、同部の針刺しテストで7/10の知覚低下を認めた。下肢伸展挙上テストは陰性であった。徒手筋力テスト(MMT)では右大腿四頭筋に4の筋力低下を認めたが前脛骨筋は正常であった。JOAスコアは15点法で8点(2-1-1-2-1-1-0)であった。単純X線で骨棘や椎間板高の狭小化を主とする変形性変化を認めたが変性側彎やすべりは認めなかった。MRIのT2強調像でL4椎体右側後面にL4/L5から頭側に突出した椎間板ヘルニアを認めた。右L4とL5の神経根ブロックを施行し、共に再現痛を認め複数回施行したが一時的な効果しか得られなかった。MRミエログラムで右L4は尾側分岐で横走化するKadish&Simmons分類のタイプ2b、右L5は頭側分岐のタイプ2aと読影されたが、その他の走行様式の異常を同定し得なかった。硬膜外吻合枝のタイプ3に関しては判読不能であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011