発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011226896
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症例は25歳女性で、ビル7階から2階コンクリート部分に墜落、受傷した。意識は保たれたが、血圧68mmHgとショック状態であった。両下肢の筋はいずれも徒手筋力テスト(MMT)0であった。単純X線、CTでL1破裂骨折と仙骨骨折を認めた。その他に右血胸、左血胸、Th6~Th8圧迫骨折、両側踵骨骨折、左肘頭骨折を合併していた。気管内挿管・人工呼吸管理とし、胸腔ドレーン挿入、骨盤固定スリングを施行後、救急部へ入院した。濃厚赤血球及び新鮮凍結血漿輸血により、血圧は安定化した。骨盤に関しては翌日骨盤固定スリングを外し、創外固定とした。その後、全身状態が改善し、受傷後12日に抜管した。受傷後18日にTh11~L2後方固定術及び左肘頭引き寄せ鋼線締結法を施行した。仙骨骨折については頭側骨片が陥入しているため整復困難と考え、創外固定で骨癒合を待つ方針とした。両側踵骨骨折は保存的に治療した。受傷後32日に骨盤創外固定を抜去し硬性コルセット装着下にベッドアップを開始したが、仙骨頭側骨片が更に陥入し、脊柱が骨盤に対し傾斜し疼痛も増強した。高度不安定型の仙骨骨折と診断し、ベッドアップを中止し、腰椎骨盤後方固定術を施行した。術後、良好な整復と固定性が得られた。
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