発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011226890
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2003年1月~2008年9月に入院・保存的治療した60歳以上の骨粗鬆症性椎体骨折で骨癒合を確認か6ヵ月以上追跡調査できた224例291椎体(男34例42椎体・女190例249椎体、平均76.2歳)を対象に、治療成績について検討した。平均経過観察期間は4.8ヵ月で、安定型(軟性コルセット(C)群)、不安定型(体幹ギプス(G)群)に分類して治療した。C群は100例(男12名、女88名)121椎体、G群は140例(男24名、女116名)170椎体であった。骨折高位はTh7~L5で、両群とも胸腰椎移行部に多発した。発症から入院まではG群が有意に長く、平均入院期間はC群平均4.5週、G群平均8週で、体幹ギプス装着期間は平均6週であった。退院はC群では2週連続して疼痛を認めず立位X線側面像で椎体変形が進行していなければ許可した。骨癒合はC群の99.2%(120/121椎体)に平均3.6ヵ月、G群の94.1%(160/170椎体)に平均5.7ヵ月で認められた。C群のRA1例が6ヵ月時に骨癒合が得られず、G群では10例10椎体に遷延癒合が認められ、6例は発症後3週以上して治療を開始した。X線でC群は初診時立位楔状率平均24.2%から仰臥位時平均16.2%に有意に改善し、最終時平均22.2%と軽度改善傾向を認めた。G群も同様に平均34.3%から21.6%に有意に改善し、最終時平均28.6%と有意に改善した。
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