発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011143728
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骨粗鬆症性椎体骨折43例(平均年齢75.4歳)を対象に、硬性装具を用いた保存的治療の前方視研究を行い、3ヵ月時点の成績を評価した。評価項目は、X線坐位-仰臥位撮影像上の骨癒合の有無、坐位での椎体局所後彎角、新規椎体骨折の発生とし、臨床評価として入院期間、JOABPEQ、合併症とした。その結果、3ヵ月時点の骨癒合率は81.4%で、平均後彎角は平均16.9°、入院期間は平均8.3日であった。新規椎体骨折は7%に生じていた。合併症は褥瘡を7%に認めたが、遅発性神経麻痺はなかった。骨癒合例と骨癒合が得られていない例の比較では、骨癒合が得られていない例のJOABPEQスコアが低い傾向にあった。硬性装具による治療法は、画像評価のパラメータと安全性においては、反張位体幹ギプスと同程度の成績が得られ、その一方で入院期間の短縮を図ることが可能と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011