発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014317159
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2010年4月~2012年7月にかけて、胸腰椎に新鮮骨粗鬆症性椎体骨折を生じた133例141椎体(男性39例41椎体、女性94例100椎体、発症時平均年齢79.6歳)を対象として、椎体高位別に、またMRI所見の有無により、それぞれ固定期間を設定し、治療成績について検討した。その結果、MRI T2強調脂肪抑制画像における椎体内高輝度領域内の低輝度領域や後壁損傷があるものに対して、固定期間を1ヵ月延長したが、骨癒合率は低値のままで改善はなく、固定期間を延長する意義はないと考えられた。また、予後不良因子としての胸腰椎移行部骨折に対しては固定期間を延長することで対応可能であったが、MRIで予後不良所見のあるものに対しては対応できなかった。MRI所見良好群と不良群のうち、Th10~Th11群とL2~L5群では、設定期間で骨癒合しなくても最長6ヵ月まで延長し、骨癒合が期待できた。以上の所見より、少なくとも設定期間を固定すれば、偽関節に陥ったとしても遅発性神経障害は起こらないものと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014