臨床室
仙腸関節性疼痛の所見を呈した非外傷性骨粗鬆症性腰椎圧迫骨折の2例
鵜木 栄樹
1
,
阿部 栄二
,
村井 肇
,
小西 奈津雄
,
小林 孝
,
阿部 利樹
1秋田厚生医療センター 整形外科
キーワード:
Lidocaine
,
X線診断
,
MRI
,
神経ブロック
,
鑑別診断
,
脊椎骨折
,
仙腸関節
,
疼痛測定
,
腰椎
,
関節痛
,
体幹装具
,
骨折-圧迫
,
視覚アナログ尺度
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Lidocaine
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbar Vertebrae
,
Nerve Block
,
Pain Measurement
,
Radiography
,
Sacroiliac Joint
,
Spinal Fractures
,
Arthralgia
,
Fractures, Compression
,
Osteoporotic Fractures
,
Visual Analog Scale
pp.1241-1244
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015042176
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症例1は74歳女で、外傷なく腰痛の後に右臀部・鼠径部痛が出現した。仙腸関節疼痛誘発テストは右陽性で、右上後腸骨棘(PSIS)、長後仙腸靱帯の圧痛を認め、仙腸関節スコアは10点であった。右仙腸関節性疼痛を疑い、1%リドカイン塩酸塩5mlで仙腸関節ブロックを施行したところ、疼痛の再現とブロックによる改善を認めた。他疾患否定のため施行したMRIでL4の新鮮圧迫骨折を認め、腰椎軟性コルセット装着と投薬で保存的治療を行った。症例2は62歳女で、腰痛の後に左臀部・鼠径部痛が出現した。仙腸関節疼痛誘発テストは左陽性で、PSIS、長後仙腸靱帯、仙結節靱帯、腸骨筋の圧痛を認め、仙腸関節スコアは10点であった。仙腸関節ブロックで疼痛再現と改善があり、左仙腸関節性疼痛と診断したが、MRIでL2の新鮮圧迫骨折が判明し、保存的治療を行った。2~5ヵ月後に両症例とも疼痛は改善し、仙腸関節性疼痛の所見も消失した。
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