発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011186415
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63歳女。約10年前にParkinson病を発症し、重症度はYahr分類3度であった。腰痛と間歇跛行が出現し、L4すべりを伴う腰部脊柱管狭窄症と診断して自家骨とスペーサーを併用したL4/L5単椎間後方経路腰椎椎体間固定術(PLIF)を行った。術後症状は改善したが、術後1年6ヵ月頃よりL3/L4椎間の破綻に伴い腰痛を認めるようになり、術後2年6ヵ月の時点で脊柱後側彎と体幹バランスの悪化を認めたため手術を行った。手術は頭側と尾側のロッドをコネクターで連結する方法でTh5から骨盤までを固定し、破綻の強いL3/L4はスペーサーと自家骨を併用したPLIFを行った。また、骨盤部の固定には腸骨スクリューを使用した。術後は6週まで片側股関節固定体幹ギプスを使用し、以後は6ヵ月まで軟性体幹装具を使用した。再手術後6ヵ月時点で腰痛はなく、体幹バランスも改善し、再手術後3年時点では若干の上位胸椎の後彎の進行、脊椎バランスの前方へのシフトを認めるものの腰痛はなく、抗Parkinson薬の薬効があれば独歩可能な状態である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011