経験と考察
腰椎後方固定術後隣接椎間障害の危険因子 65歳以上例による検討
大谷 隼一
1
,
三好 光太
,
北川 知明
,
三上 容司
1労働者健康福祉機構横浜労災病院 脊椎脊髄センター
キーワード:
危険因子
,
脊柱管狭窄
,
脊椎固定術
,
脊椎疾患
,
腰椎
,
椎間板変性症
Keyword:
Lumbar Vertebrae
,
Risk Factors
,
Spinal Diseases
,
Spinal Fusion
,
Spinal Stenosis
,
Intervertebral Disc Degeneration
pp.309-312
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013197289
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2006年~2010年に腰椎変性疾患に対して後方固定術を行った65歳以上の患者42例を対象とし、高齢者に対する腰椎固定術後の隣接椎間障害(ASD)発生の危険因子を検討した。内訳は男13例、女29例、手術時年齢は平均73.2歳、術後経過観察期間は平均26.7ヵ月であり、最終観察時の腰椎単純X線側面像でASD発生を認めた症例は11例(26.2%)であった。ASD発生の有無別に患者背景、術前画像因子、術式に関する因子を比較した結果、固定椎間数と矯正前彎角がASD発生の危険因子であり、患者背景、種々の術前画像所見、隣接椎間への除圧単独の追加はASD発生の危険因子ではなかった。多椎間の除圧固定術を要する高齢者については固定範囲を必要最低限とし、不安定性などのみられない隣接椎間には除圧のみを加える術式も一法であると考えられた。
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