発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011072007
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86歳女。トイレで転倒し、歩行困難となり救急搬送された。右股関節痛と左肩痛の訴えがあり、X線で転位のある右大腿骨転子部骨折(Evans分類type II)と、転位の少ない左上腕骨外科頸骨折を認めた。腰椎X線像による骨粗鬆症の評価は慈大式分類3度で、多椎体に既存の圧迫骨折を認めた。大腿骨頸部のSingh indexは2度であった。受傷後1日に右大腿骨転子部骨折に対しJapanese proximal femoral anti-rotationを用いて骨接合術を行った。しかし、受傷後6日に左股関節痛が出現し、X線で転位の少ない左大腿骨転子部骨折(Evans分類type I、group2)を認めた。受傷後8日に左大腿骨転子部骨折に対しJapanese proximal femoral anti-rotationを用いて骨接合術を行った。術後経過は良好で、受傷後120日のX線像では両側ともに骨癒合が得られ、歩行レベルは介助下起立が可能な状態であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010