人工関節置換術-最新の知見
人工関節の臨床成績(中~長期含む) 膝の人工関節 血液透析患者に対する人工膝関節全置換術の治療成績
佐藤 行紀
1
,
小谷 明弘
,
佐々木 茂
,
坂倉 健吾
,
市村 正一
1杏林大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節リウマチ
,
血液透析
,
再手術
,
死亡
,
腎不全-慢性
,
失血-外科
,
治療成績
,
静脈血栓症
,
膝関節置換術
,
手術時間
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Death
,
Renal Dialysis
,
Kidney Failure, Chronic
,
Radiography
,
Reoperation
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Venous Thrombosis
,
Operative Time
pp.183-186
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014270827
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人工膝関節全置換術(TKA)を行った血液透析患者6例10膝(手術時平均年齢65.7歳、平均透析期間13年、平均経過観察期間21.1ヵ月)の術後成績と手術のリスク、問題点を検討した。原疾患は慢性糸球体腎炎4例、紫斑病性腎炎1例、多発性嚢胞腎1例で、いずれも関節リウマチ(RA)、深部静脈血栓症(DVT)の合併症があり、米国麻酔学会術前状態分類は全例class 2であった。日本整形外科学会膝疾患治療成績判定基準(JOAスコア)は術前48.3点から術後71.7点に改善し、感染、DVTなどの周術期合併症は認めなかったが、aseptic looseningによる再置換例が1例あり、死亡例3例中1例は周術期の死亡であった。血液透析患者に対するTKAの有効性は高いが、RAの合併、複数回手術歴、再手術例は術後生命予後の不良因子と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014