発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011103816
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脊椎手術を行った維持透析患者で、2年以上追跡調査可能であった45例(男24例・女21例・平均62.7歳)の治療成績を検討した。脊椎疾患は破壊性脊椎感染症33例、透析性脊椎症7例、その他5例、手術は頸椎32手術、腰椎30手術であった。頸椎手術は椎弓形成術20手術、インストゥルメンテーション(IT)併用の後方および前方手術が計11例、脊椎内視鏡下椎弓切除1例で、腰椎手術はIT併用後側方固定17例、椎弓切除6例、後側方固定4例、脊椎内視鏡下椎弓切除3例であった。術後早期の合併症による死亡を4例認め、原因不明の突然死、消化管大量出血、腹部大動脈瘤破裂、肺炎であった。重篤な術中合併症は5例に認め、心室細動による心停止2例、シャントトラブル2例、無気肺1例であった。術後合併症は25例32件認め、創部血腫8例、譫妄7例、消化管出血5例などであった。対象45例中23例が有害事象を経験し、サルベージ手術を要したのは6例であった。術後1年および2年の死亡率はそれぞれ17.7%、28.9%で、5年および10年生存率は60.13%、18.74%、50%生存率は84ヵ月であった。
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