臨床と研究
完全腹腔鏡下幽門側胃切除術の整容性と創部症状における有用性評価 術後アンケート調査から
中沼 伸一
1
,
森 和弘
,
桐山 正都
,
安居 利晃
,
山崎 祐樹
,
加治 正英
1黒部市立黒部市民病院 外科
キーワード:
質問紙法
,
胃腫瘍
,
胃切除
,
入院期間
,
腹腔鏡法
,
幽門
,
リンパ節郭清
,
患者の満足度
,
失血-外科
,
治療成績
,
BMI
,
手術時間
,
トロカール
,
皮膚切開
Keyword:
Gastrectomy
,
Length of Stay
,
Lymph Node Excision
,
Laparoscopy
,
Pylorus
,
Surveys and Questionnaires
,
Surgical Instruments
,
Stomach Neoplasms
,
Body Mass Index
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Patient Satisfaction
,
Operative Time
pp.1272-1279
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015084584
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完全腹腔鏡下手術(TLDG)による創部縮小化を腹腔鏡補助下手術(LADG)を比較して、中長期的な整容性と創部症状における有用性をアンケート調査により検討した。対象は著者らの3施設において腹腔鏡下幽門側胃切除を施行しcT1またはcT2N0、術後無再発で開腹手術既往歴なしの症例(女性、80歳未満)であった。その結果、1)アンケートの回収率はTLDG群が100%(14例中14例)、LADG群が80%(30例中24例)であった。2)創部の外観は「とても良い」「良い」と答えたのはTLDG群が11名(78.6%)、LADG群が16名(66.6%)であった。また、日常生活で創部が「気にならない」と答えたのはTLDG群が11名(78.6%)、LADG群が18名(75.0%)であり、「気になる」と答えたのはLADG群の2名(8.3%)のみであった。3)創部の美容的満足度では満足と回答したのはTLDG群が11名(78.6%)、LADG群が14名(58.3%)であったが、LADG群では4名(16.7%)が「少し不満」と回答していた。以上より、TLDGは中長期的な整容性や創部症状においてLADGに比べ有用と考えられた。
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