発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010211537
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83歳女性。患者は誘因なく右肘と両下腿に発赤、腫脹が出現し近医を受診、蜂窩織炎の診断で著者らの施設へ紹介となった。初診時、右肘、両下腿に約3cmの周囲に紅斑を伴う皮膚壊死が認められたが、創部の細菌培養検査は陰性であった。血液検査では好中球優位のWBC増加、CRPの上昇がみられ、単純X線では炎症部位に一致して軟部陰影の増強が認められた。また、MRIでは両下腿、右上腕の皮下組織にT1で低信号、T2 STIR像で高信号を呈する病変が確認された。以上より、本症例は治療として抗菌薬投与、創部処置が行なわれたが、両下腿の潰瘍が急速に増悪し、入院6日目よりデブリドマン、開放療法を開始した。だが、右手背と両耳下腺に新たな潰瘍が出現、病理組織学的に壊疽性膿皮症で、デブリドマンと開放療法の継続を行なった結果、炎症反応は改善、良好な肉芽形成がみられ、以後は分層植皮術が施行された。
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