発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011345508
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症例1は39歳男で、19歳時の骨髄異型成症候群(MDS)診断以降、プレドニソロンや蛋白同化ホルモン、G-CSF、シクロスポリンなどを処方したが著効なく定期的輸血を行っていた。今回、右下腿の発赤、腫脹、疼痛を主訴に精査・加療入院し、汎血球減少、CRP高値、有核細胞数および巨核級数の減少、血球の形態異常を認め、myelodysplastic syndrome unclassified(MDS-U)と診断した。皮膚病変は増悪して中央に潰瘍を形成し、広汎なデブリードマン、抗生剤対応を継続したが不良肉芽が創面を覆い汎血球減少は増悪し、敗血症で死亡した。症例2は67歳男で、右下腿の有痛性紅斑・硬結が軽快と増悪を繰り返した後に潰瘍を形成し入院となった。汎血球減少、CRP高値、有核細胞数の減少、血球の形態異常を認め、RCMDと診断した。デブリードマンを行い、壊疽性膿皮症およびRCMDに対しスクロスポリン開始したところ、汎血球減少は改善し、創面は良好な肉芽に覆われ正常な創傷治癒が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011