下腿潰瘍と皮下腫瘤を初発症状とした多発血管炎性肉芽腫症(Wegener肉芽腫症)

＜症例のポイント＞多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangitis、以下、GPA)の初発症状としては、鼻症状が90%と最多であり、皮膚症状はまれである。自験例は、下肢に壊疽性膿皮症様の潰瘍と、皮下腫瘤という初発症状で当院を受診し、以後、原因不明の発熱と鼻症状が生じた。鼻部の画像所見の鑑別にGPAがあがり診断に至ったが、ふり返ってみれば皮疹が多彩という本疾患の特徴をよく表していた。