発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010118217
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61歳男。右足関節の腫脹、次いで関節背側の疼痛が出現し、右変形性足関節症と診断して保存的加療を行ったが疼痛は軽減しなかった。入院時X線で関節裂隙の狭小化と脛骨下端前方に骨棘形成を認め、変形性足関節症分類grade IIであった。X線透視下で最大背屈時に脛骨前縁の骨棘と距骨とのインピンジメントを確認し、骨棘部周辺に局所麻酔注射を行ったところ一時的な除痛が得られ、骨棘のインピンジメントによる疼痛と考えて関節鏡視下の骨棘切除術を施行した。足関節内側・外側とも滑膜は増生しており、脛骨天蓋部、距骨関節面の軟骨は摩耗していた。滑膜切除により脛骨前外側の骨棘が明瞭となり、足関節背屈で骨棘は距骨と衝突した。外側ポータルからの鋭匙鉗子で脛骨前縁の骨棘を切除し、背屈時のインピンジメント消失を確認した。術後5ヵ月のX線で脛骨前縁の骨棘はわずかに突出してきたが、愁訴はなく経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010