発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009224975
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15歳男児。バスケットボールの荷重時、ジャンプ時および正坐時に左膝痛が出現した。左膝に軽度の腫脹と軽度の筋萎縮を認め、X線で左膝大腿骨内側顆最下端~顆間に骨透亮を認めた。MRIではT1強調像で低輝度、T2強調像で高輝度を呈した。関節鏡を施行し、ごく軽度の軟骨の軟化を認め逆行性にドリリングを施行した。術後3ヵ月半頃より左膝蓋外上方に痛みが出現し、術後8ヵ月のX線およびMRIで異常所見を認め、初回術後1年5ヵ月に再入院した。膝蓋骨外側~外上方に圧痛と片脚屈伸時に痛みが生じ、X線および軸射像で大腿骨外側顆膝蓋関節面に不整像と骨透亮像を認め、MRIでは膝蓋関節面分界層がT1強調像で低輝度、T2強調像でやや低輝度を呈し、分界層の関節面に高輝度部位を認めた。関節鏡視では軟骨の軽度軟骨化は認めたが亀裂部は確認できず、傍膝蓋外側切開でpatella grooveの頭側やや外側~外側顆に約4cmの頭側凸、弧状の亀裂部を認め、近位約2cmは線維性組織でつながり遠位は亀裂となり軟骨下骨に達していた。線維組織を掻爬し外側顆外上から採取した海綿骨を移植、めくれた骨軟骨片を固定しドリリングを追加した。術後3ヵ月でスポーツ復帰、7ヵ月後のMRIで骨癒合の進行を認め、初回手術後約5年6ヵ月では完全伸展から屈曲時に軽度の不安定感はあるがバスケットボール時の疼痛は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009