経験と考察
成長期の膝関節離断性骨軟骨炎と正常変異としての大腿骨顆部不整像
兼子 秀人
1
,
村上 元庸
1村上整形外科クリニック
キーワード:
X線診断
,
骨軟骨炎-離断性
,
MRI
,
膝関節
,
浮腫
,
石灰沈着症
,
大腿骨
,
年齢因子
Keyword:
Age Factors
,
Calcinosis
,
Edema
,
Femur
,
Knee Joint
,
Osteochondritis Dissecans
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
pp.319-325
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016279872
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
単純X線像とMRIで診断した大腿骨顆部骨軟骨病変中、骨端線閉鎖前で外傷性骨軟骨骨折を除く23症例(男児22例、女児1例、年齢6~12歳、平均年齢9.4歳)28部位を対象に、小児大腿骨顆部の骨軟骨病変の特徴について検討した。方法は対象を病巣周囲の骨髄浮腫あり群(BME+群)4部位と骨髄浮腫なし群(BME-群)24部位の2群に分け、各群の病変部位が顆部(Co)か顆間部(IC)に及ぶか、あるいは後方に限局(P)するか、前・下方に及ぶ(AI)か、また内側顆(M)と外側顆(L)のいずれかを検討した。更にあわせて、病変部の左右対称性あり(BLat+)・なし(BLat-)、病変の顆部対称性あり(BCo+)・なし(BCo-)と年齢についても調べた。その結果、1)局在部位はICが3部位で全例BME+で、Coは25部位でBME+は1例、その他は全てBME-であった。2)内外側顆の違いはMが12部位でBME+は3部位、Lは16部位でBME+は1例のみで、病変部位がIC、AIで有意に骨髄浮腫を伴うことが多く、内側顆・外側顆の違いとBMEに有意差はみられなかった。3)病変部の左右対称性はBLat-は14例、BME+は4例、BME-は10例、BLat+は9例で全例がBME-でった。4)病変顆部対称性はBCo-は18例、4例がBME+、14例がBME-、BCo+は5例で全例がBME-であった。5)平均年齢はBME+群は11.8歳、BME-群は9.0歳と有意差がみられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016