発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010118213
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49歳女。全身性エリテマトーデス(SLE)で、24歳時よりプレドニゾロンなどを内服していた。今回、段差を上がろうとして右足を踏ん張った際に右大腿部痛が出現し、歩行不能となった。初診時、右大腿部の変形・圧痛・腫脹、左大腿骨幹部の圧痛を認め、X線で右大腿骨骨幹部は完全骨折で横骨折を認め、骨折部に骨硬化像を認めた。健側の左大腿骨骨幹部は不全骨折で、外側の亀裂骨折を認め、周囲に骨硬化像を認めた。MRIで左大腿骨骨幹部には疲労骨折による不全骨折を認めた。右側の大腿骨骨幹部骨折に対しては骨接合術を施行し、左側に対しては保存的治療として術後10日目よりリセドロネートを開始し、術後14日目より両側に対して超音波骨折治療器を使用開始した。術後3ヵ月に一本杖歩行で退院したが、1年半経過時に転倒しそうになり左足を踏ん張ったところ、左大腿部痛および変形を生じた。左大腿骨骨幹部骨折を認めたため骨接合術を施行し、術後1ヵ月半で退院し、現在経過観察中である。二重エネルギーX線吸収法による腰椎の骨密度測定では、若年成人平均値比92%と比較的高値であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010