発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009271674
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右母指の屈曲障害を主訴とした77歳女性症例について検討した。患者は5年前に右橈骨遠位端骨折掌側プレート固定の既往があった。単純X線像側面像は、プレート遠位は骨面より若干掌側に位置していることを示した。長母指屈筋腱(FPL)皮下断裂と診断し、掌側プレート抜去および腱移植術を行った。掌側深部を展開するとFPLの断裂およびプレートが橈骨遠位部で骨面より若干掌側に位置していることが確認できた。術後6ヵ月現在、母指の屈曲は良好で、日常生活に支障はない。橈骨遠位端骨折プレート固定後の合併症予防のためには、骨接合の際のプレートの設置位置、骨との間隙に注意するとともに、骨癒合が得られたら内固定材を早期に抜去することが必要だと思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009