発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009271664
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両上肢のしびれに対する経過観察中にしびれが急速に進行し、起立歩行困難、両手指巧緻運動障害を伴った83歳男性症例について検討した。頸椎単純X線写真側面像はC3/C4高位でやや前彎の増強、および前屈位と比べて同部位での不安定性を認めた。頸髄単純CTでは、水平断像でC3高位で脊柱管背側に結節状の高吸収域を認め、矢状断像でも水平断像同様、脊柱管背側に高吸収域を、また、C3/C4でのアライメントの不整と椎体後縁に骨棘を認めた。頸椎MRI矢状断像では、C3高位で脊柱管背側にT1、T2強調画像ともに脊髄と等信号を呈する占拠性病変を認めた。頸椎黄色靱帯石灰化症(CLF)を疑い、頸椎椎弓形成術を行った。病理組織学的検査では、骨化はみられず、靱帯と思われる線維性組織に著明な石灰化像を認めた。術直後より手指巧緻運動障害は著明に改善し、術後6ヵ月現在の経過は良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009