発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064335
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66歳男.嚥下困難,巧緻運動障害,上下肢感覚障害,歩行障害を主訴とした.1995年頃より主訴が相次いで出現し,2002年3月より誤嚥の反復と歩行障害の進行を認めた.初診時,両上下肢深部腱反射の亢進,巧緻運動障害,両手足の感覚障害,嚥下時の通過障害を認め,日整会頸髄症治療成績判定基準(JOAスコア)は9/17点であった.頸椎単純X線像ではC3~C5にかけて前縦靱帯骨化症(OALL)を認め,MRI,ミエロCTでは骨化層による咽頭,食道の圧排とC5/C6を中心とした脊柱管狭窄による脊髄の圧迫が描出された.頸髄症およびOALLによる嚥下障害の合併と診断して2003年1月にC3~C7の脊柱管拡大術を,3週間後にC3~C5のOALLによる骨性隆起の切除を二期的に行ったところ,術直後より嚥下障害は消失して咽頭後壁の圧排解消とJOAスコアの改善がみられ,術後1年経過現在,症状の再発や不安定性は認めていない
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