発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009271665
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腰痛、両臀部痛、両下肢痛を主訴とした52歳女性症例について検討した。X線像では、L3/L4の不安定性を認めた。MRIでは、L3/L4の左側椎間関節~正中に硬膜を後方から高度に圧迫する腫瘤性病変を認め、内部はT1強調画像で等輝度~低輝度、T2強調画像で高輝度を示した。脊髄腔造影では、L3/L4レベルでほぼ完全ブロックであり、MRI所見から内部は液体成分と考えられた。しかし、CTガイド下に穿刺を試みたが内容物を吸引できず、手術的治療を行った。腫瘤は、最外層の肉芽組織の一部が硬膜と癒着し、摘出時には液体成分の漏出を認めなかった。また、病理検査では、内部の小胞形成はわずかで、粘液もごく少量であった。術後、筋力低下、下肢痛、しびれ等、症状は改善した。腰椎椎間関節嚢腫には、内部が液体成分ではなく、穿刺でも吸引されないような症例が存在し、穿刺の際には注意が必要であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009