発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016299857
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60歳男性。両手のしびれ、手指巧緻運動障害を主訴に受診となった。単純X線およびMRI所見より、頸椎症性脊髄症による錐体路徴候と診断され、C2~C7の頸椎椎弓形成術が施行された。その結果、術直後より両手のしびれ、手指巧緻運動障害は改善したが、術後4週より首下がりが出現した。頸椎術後の頸椎後彎変形を考え、経過観察を行ったが、急速に首下がりが進行した。そのため神経内科にコンサルトを行なったほか、最終的に舌縁部の筋萎縮や肩甲骨周囲筋に線維束攣縮を認めたことから、本症例は筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断に至った。尚、病状や首下がりは進行し続け、患者は術後1年9ヵ月目に呼吸不全で死亡となった。
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