近位髄腔占拠型人工股関節ステムのX線学的評価

近位髄腔占拠型形状のProfileセメントレス人工股関節ステムで置換術を行った変形性股関節症100例112関節(男13例･女87例･平均62.6歳)を対象に、術後3.4～13.8年においてX線学的評価を行った。Radiolucent lineは、Gruenらの分類のzone 4で15関節、zone 5で3関節、zone 6で1関節、osteolysisはzone 1で2関節、zone 7で1関節認めた。Spot weldsはzone 1で20関節、zone 7で38関節、femoral sclerosisはzone 2で56関節、zone 3で91関節、zone 4で38関節、zone 5で97関節、zone 6で74関節、cortical hypertrophyはzone 2で11関節、zone 3で42関節、zone 4で33関節、zone 5で43関節、zone 6で9関節認めた。また、ステムの固定性は柴らの判定基準でbony stable 40関節、fibrous stable 72関節、unstable 0関節であった。本ステムは近位部の前捻と厚い前後幅により高い回旋抵抗性が得られ、ステム沈下を起こしにくいと考えられた。