発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009159685
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症例は29歳初産婦で、妊娠38週5日に3060gの男児を経腟分娩(分娩時間約10時間)して6日後に退院となったが、分娩直後より左股関節痛・恥骨部痛を訴えていた。恥骨結合離開とされ経過観察していたが、分娩21日後、症状が持続するため紹介来院となり、初診時、単純X線像で左恥骨に骨反応像を認め、MRIでは同部位にT1強調像で低信号・T2強調像で高信号・脂肪抑制像で高信号を認めた。同部位に圧痛を認め、左恥骨骨折と診断したが、分娩6週後には痛みは消失し、分娩9週後の単純X線像にて骨癒合を認めた。以上より、妊娠出産後に長期にわたり恥骨部に疼痛を訴える場合は、生理的な恥骨結合離開の他に同部の骨折も考え診断・治療を行うべきと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009