発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013356269
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27歳女。家族から顔が丸くなったことを指摘され、腰痛、右股関節痛を自覚した。X線検査にて右恥骨の骨折を指摘された。転倒や外傷の既往はなく、病的骨折および満月様顔貌を認め、精査目的で入院した。ACTHの抑制、血清コルチゾール高値を認めた。尿中遊離コルチゾール定量も異常高値で、ACTH・コルチゾール日内変動も消失していた。骨盤部X線検査では、右恥骨骨折を認めく、骨粗鬆症と診断した。腹部単純CT検査では、右副腎部位に24×18mm大の境界明瞭な腫瘍を認めた。右副腎腫瘍による副腎性Cushing症候群と診断した。副腎腫瘍摘出術を施行した。骨折部位の痛みは消失していたが、骨密度の回復が遅いため、リセドロン酸ナトリウム水和物の内服を開始した。術後16ヵ月でリセドロン酸ナトリウム水和物を中止した。ビスホスホネート製剤の合併症である上部消化管障害や顎骨壊死などはみられず、病的骨折の再発もない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013