発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009159686
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症例は10歳男児で、2ヵ月ほど前に左足部を捻った後に、左足背に疼痛が出現し跛行が出現したが放置、今回母親が足の変形と歩容異常に気付き来院となった。初診時、左足部の内反凹足変形を認め、前脛骨筋の過緊張を触知し同部位に圧痛を認め、足部の変形は他動的には矯正されず、他動矯正時に過緊張を呈している前脛骨筋の疼痛が誘発された。MRIではT1強調像で低信号・T2強調像で低信号と高信号が混在する連続した部分を認めた。以上の所見から脛骨筋痙性性内反足(TSVF)をきたした踵・舟状骨癒合症と診断し、全身麻酔下に手術施行となった。術中所見では全身麻酔により前脛骨筋の緊張と足部の内反凹足変形は即座に消失し、手術では癒合部を含む踵・舟状骨癒合を切除したが、肉眼的には軟骨性癒合と考えられた。再癒合防止目的で剥離した短趾伸筋の内側半分を踵骨前方突起にアタッチメントデバイスを用いて逢着した。術後2週間は短下肢ギプス固定し、その後アーチサポートを装着して全荷重を許可、疼痛と変形は消失して歩容は改善され、術後7ヵ月の時点で再癒合は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009