経験と考察
若・中年者の骨盤不顕性骨折4例の特徴
吉峰 史博
1
,
池上 健
,
小原 由起彦
,
鎌田 雄策
,
工藤 加奈子
1東京都保健医療公社大久保病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
寛骨臼
,
骨折-閉鎖
,
骨盤骨
,
MRI
,
脊椎骨折
,
仙椎
,
恥骨
,
放射性核種イメージング
,
骨盤骨折
Keyword:
Acetabulum
,
Fractures, Closed
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Pubic Bone
,
Pelvic Bones
,
Radionuclide Imaging
,
Sacrum
,
Spinal Fractures
pp.512-515
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015285017
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X線像で骨折が不明であった骨盤不顕性骨折もしくは骨髄浮腫を示した若・中年者4例(18歳男、51歳男、39歳女、55歳女)を経験した。全例転落、転倒などの外傷性骨折で受傷後は全例股関節部痛が著しく、歩行困難・不能であり、全例にMRI、1例に骨シンチグラフィーを行った。3例は恥骨腸恥隆起、恥骨下枝および仙骨翼の複数部位に骨折もしくは骨髄浮腫を認め、3例は恥骨骨折と仙骨骨折の合併例であった。骨盤は特徴的な部位に複数の骨折を起こしやすい部位、構造と推測された。重度の外傷でなくても鼡径部痛の強い例、歩行困難・歩行不能例では恥骨不顕性骨折の可能性があり、恥骨骨折がある場合には仙骨不顕性骨折合併の可能性を認識すべきであると思われた。また、早期の骨折診断には、骨折だけでなく周辺の血腫や骨髄浮腫を捉えるMRIが有効であると思われた。
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