発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009159679
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大腿骨遠位部骨折に対してロッキングプレートを用いた最小侵襲プレート接合術(MIPO)の治療成績について検討した。対象は2006年以降に大腿骨遠位部骨折に対してLCP-Distal Femur(LCP-DF)を用いてMIPOを施行した8症例(男性1例、女性7例、15~93歳・平均71.1歳)で、術後経過観察期間は11~75週・平均38.5週、AO分類による骨折型は33-A1:2例、A2:3例A3・C2・C3各1例であった。その結果、偽関節・内固定材の折損・感染など術後合併症は認めなかったが、転倒によるプレート近位部での骨折を1例に認めた。膝関節ROM訓練は術後平均1.6(1~4)日で開始し、1例に遷延癒合(術後22週)に認めたが、他の7例では平均6.4(3~13)週で仮骨形成を認め、平均14.1(10~22)週で骨癒合が確認された。術後早期から膝関節ROM訓練及び荷重を行ったが、最終診察時FTAはほぼ正常範囲内の平均174.5(169~179)°であり、変形治癒は認めなかった。以上より、ロッキングプレートにより遠位骨片が確実に把持されていれば術後早期よりの膝ROM訓練や荷重歩行を行っても問題となるような変形治癒は生じないものと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009