発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009159678
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Impaction bone grafting(IBG)法による大腿骨側人工股関節再置換術時に、大腿骨脆弱部へ同種骨プレートを補強として併用した6症例(全例女性、62~80歳、経過観察期間6~67ヵ月・平均24.5ヵ月)を対象に同種骨プレートの術後リモデリング状況を調査して術後の臨床成績について評価した。その結果、JOAスコアは術前平均42点から最終時78点で、対側股関節に障害のある2例は二本杖、その他の4例はT字杖歩行可能となり、周術期の感染・脱臼・有症状の下肢深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症などの発症は認めなかった。X線評価上のクリアラインの出現を呈した症例はなく、ステム沈下は平均0.96(0.2~2.8)mmであった。同種骨プレートのリモデリングは術後3~6ヵ月でプレート辺縁の鈍化や橋渡し仮骨が出現しはじめ、1~2年で同化と判断できる所見を呈し、金属メッシュの表層に同種骨プレートをおいた症例では吸収がみられた。以上より、適切に使用すればIBG法に併用した同種骨プレートは力学的安定の確保と骨欠損の補填につながり、術後1~2年以内に母床との境界が不鮮明化し同化傾向が認められはじめると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009