発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009068032
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4歳男児。主訴は右膝痛であった。7ヵ月前に突然の発熱と右膝痛・腫脹・熱感が出現し、セフカペンピボキシル塩酸塩水和物を計11日間内服し軽快していた。血液検査上軽度の炎症反応を呈し、X線およびCT像では右脛骨近位骨幹端部内側と骨端部内側後方に周辺骨硬化を伴う骨透亮像を認めた。また、右下腿近位内側の腫脹部位の穿刺で赤褐色膿汁排泄を認め、培養検査により黄色ブドウ球菌が検出され亜急性骨髄炎と診断した。セフカペンピボキシル塩酸塩水和物を12週間長期投与した結果、X線像で骨幹端部病変・骨端部病変ともに10ヵ月後に正常化した。1年10ヵ月経過して罹患脛骨の成長障害は認めず、X線上の骨病巣も完全に消失した。本症例は急性骨髄炎を発症したが抗生物質投与期間が短かったため完治せず、7ヵ月後に亜急性骨髄炎として再発したと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008