発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008330948
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腰椎変性すべり症に対し、後方除圧術のみを施行し、術後2年以上、直接検診で経過観察可能な29例、48椎間(男20例、女9例、手術時年齢、51~84歳、術後平均観察期間3.3年)を対象に、術後成績および術後成績不良群における不良因子について検討した。再手術を要した症例は3例で、2例は後方除圧術後2年以内にすべり椎の増悪を認め、腰椎後方椎体間固定術を行った。他の1例は後方除圧後5年に手術椎間の上位椎間の狭窄による下肢症状に対し開窓術を行った。JOAスコアは術前平均6.3点が術後1年時に平均12.3点、最終調査時に平均12点と有意に改善して維持していた。すべり度(%slip)は術前平均6.2%が術後最終調査時に平均7.8%と有意に増加していた。手術椎間板高はL3/L4レベルで術前平均8.5mmが術後平均7.3mm、L4/L5レベルで術前平均9.5mmが術後平均8.2mmといずれも有意に減少していた。最終調査時JOA改善率50%以下の症例の術前椎間板高は改善率50%以上の症例に比べ有意に高値であった。術前のすべり椎間板高は術後成績に影響する因子であると考えた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008