スポーツ医学
関節突起間部以外の椎弓にみられた粉砕型腰椎椎弓骨折
小林 良充
1
,
船越 雄誠
,
滝 正徳
,
安間 久芳
,
尾藤 晴彦
1聖隷浜松病院 スポーツ整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
MRI
,
スポーツ障害
,
脊椎骨折
,
脊椎分離症
,
X線CT
,
腰椎
,
骨折-粉砕
,
椎間関節
,
下肢伸展挙上テスト
Keyword:
Athletic Injuries
,
Lumbar Vertebrae
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Spondylolysis
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
,
Spinal Fractures
,
Fractures, Comminuted
,
Zygapophyseal Joint
pp.59-65
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016136619
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関節突起間部以外の椎弓にみられた粉砕型腰椎椎弓骨折5例について検討した。内訳は第3骨片を伴う粉砕型の椎弓根部骨折が3例、後峡部骨折が2例であった。椎弓根部骨折は全例が17歳の男性で、L5にみられ、椎弓根部骨折側は利き手側であった。椎弓根の骨硬化像を全例に認めた。スポーツ種目は軟式野球2例、バレーボール1例で、うち2例に外傷歴があった。いずれも椎弓根部骨折側のSLRテストが50°以下で、痛みによる後屈制限がみられた。3例とも第3骨片は椎弓根部骨折の外側にみられた。MRI施行例はなかった。後峡部骨折例は13歳の男性、14歳の女性で、いずれも分離高位はL5、第3骨片は後峡部骨折の外背側にみられた。1例が後峡部骨折側のSLRテスト陽性で、MRIでは椎弓根から棘突起にかけての輝度変化と2椎体間以上におよぶ軟部組織の輝度変化を認めた。外傷歴はなく、利き手側に後峡部骨折がみられた。片側腰椎分離椎の第3骨片を伴う粉砕型の椎弓根部骨折または後峡部骨折では、椎弓根部、後峡部の内側、もしくは内側・腹側に生じていた疲労骨折部が力学的弱点となり、運動中に骨折が急速に進行した結果と考えられた。
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