発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006304462
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51歳男.14年前に脊髄損傷で両下肢対麻痺となり,その後左上肢の知覚麻痺,左肩の挙上困難が出現し,更に左前胸部の腫脹を来たした.X線で上腕骨頭の消失と,その付近に微小骨片を認めた.CTでは関節窩側の破壊は著明ではなかった.MRI矢状断像では上腕骨近位端が前方に突出し,大量に貯留した関節液内に滑膜組織と思われるT2強調像での低信号域を認めた.脊髄空洞症によるCharcot関節を疑い,頸髄MRIで同症を確認した.脳神経外科で空洞-くも膜下シャント術を行い空洞は著明に縮小したが,神経学的には著変なく,腫脹は隔日200~300mlの穿刺が必要であったため手術を施行した.関節包を切開したところ,関節液が流出すると共に,多量の滑膜組織様遊離体を認め,これを摘出した.腱板は断裂し,断端は関節窩レベルを超えて退縮しており,断端をデブリドマンした.更に弛緩した関節包を縫縮した.術後2ヵ月で水腫の再発はなく,自動屈曲65°,外転55°可能となった
©Nankodo Co., Ltd., 2006