臨床室
第2腰椎に転移した粘液型脂肪肉腫の1例
佐藤 栄一
1
,
前川 慎吾
,
浜田 良機
1健康科学大学
キーワード:
X線診断
,
脛骨
,
MRI
,
生検
,
脊椎固定術
,
脊椎腫瘍
,
椎弓切除術
,
軟部組織腫瘍
,
放射性核種イメージング
,
放射線療法
,
腰椎
,
脂肪肉腫-粘液性
,
致死的転帰
Keyword:
Biopsy
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbar Vertebrae
,
Laminectomy
,
Radiography
,
Spinal Fusion
,
Spinal Neoplasms
,
Radionuclide Imaging
,
Radiotherapy
,
Soft Tissue Neoplasms
,
Tibia
,
Fatal Outcome
,
Liposarcoma, Myxoid
pp.1055-1059
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016017283
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31歳男。約4ヵ月前に左下腿の疼痛・腫脹が出現し、MRIで左脛骨後面に腫瘤を認めた。切開生検で粘液型脂肪肉腫の診断となり、広範切除術+術後放射線照射を行い経過観察中であったが、術後1年3ヵ月より腰痛、両下肢不全麻痺が出現した。単純X線正面像でL2右側の膨隆を認め、骨シンチグラフィーでは同部位に集積を認めた。MRIでL2椎体は、T1強調像で軽度低信号、T2強調像で軽度高信号、造影像で造影効果を示した。なお、L1下縁からL3の後方にも造影効果を示す腫瘤を認めた。硬膜外腫瘍切除、L2椎弓切除術後のL2生検術、Th12~L4の椎弓椎体固定術を行い、病理組織所見は下腿に生じた粘液型脂肪肉腫と類似しており、転移と診断してL2切除と前方固定、更に50Gyの放射線照射を追加した。術後12ヵ月の時点で杖歩行が可能となり、Frankel分類は術前Cから術後Dに改善したが、その後多発転移を認め、術後18ヵ月で死亡した。
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